岸田首相が襲撃された一件。これまでなら「襲撃行為への批判」だけで記事を形成していました。しかし…同時に外せないことも起きていたので「ひとつの考え以外認めない社会に持っていかせる行為」も重ねて記述することにしました。
１）ここ10年あまりの「野党・非権力者叩き」は、その間えぐったキズの深さがたたって、ついには「敵である〜〜のやることは全否定」という思考回路につながってしまいました。
きょう起きてしまった岸田氏襲撃もまだ情報が出ていない段階ですが、「敵である〜〜をひれ伏しておきたい」という感情が先に立ち、「自民党政権を批判する野党」「安倍氏が首相時代批判していた」人たちの存在／行動が「襲撃を生んだ」と言い張っています。言いがかりも甚だしいものでしかありませんが、「力を持っている」のは政権支持者サイド、残念ながら、止められていません。
２）普段から四六始終「共産党は暴力革命」と吹聴している方々が、ここぞとばかりに「共産党が存在するから安倍／岸田氏への襲撃が起きた」と述べていますが、先に述べた「言いがかり」の他に、今の日本の状況で、少数派による武力改編は有効ではないことを知ってか知らずかの印象操作でしかありません。
武力での社会改編を図ろうとしたとてて、いまの日本社会は「武力による社会破壊を望まない社会」「武力行為を押さえつけられる権力機構（警察・自衛隊）」と、すぐ思いつくだけで２つ大きなバリアーがあり、マイナスしか生み出すものはありません。逆に「逆ネジ」食って存在潰されるのがオチです。
３）公選法もこれ以上縛る方向に持っていくと「政治活動の自由」「言論の自由」に障る状態になるので、①「解釈」を拡げて、断片的情報で「違法」呼ばわり②その引っ掛かりがなくても「白を黒に塗りつぶす」行為で印象悪化を狙う行為をすることで、「〜〜は壊してもいい勢力」にしてしまう。残念ながらこれが“有効”になってしまって、もはやＳＮＳでは言論が成り立たない状態になっています。全然関係ない「野党による権力批判」がすぐに「権力者襲撃事件の原因」にさせられるほどに。
４）Twitterタイムラインでは「治安維持法」並びに「特高警察」の復活を望む声があふれています。「野党による権力批判」は「安倍死ね」と書き替えられ、「物事には原因もあるからなぞることも必要では」が「テロリスト側に立った意見」となり、更に「権力批判＝テロリスト」とされる。そこに「野党は権力に逆らうのをやめて協力しろ」が重なるまでが一連の言論で、総じて言えばトーンポリシングでしかない。
そのトーンポリシングを、岸田氏襲撃事件をきっかけに強めよう、というのがいま「岸田氏襲撃事件は野党のせいだ」と語っている人の狙いです。黙ることはこの策動に乗ってしまうこと。私は黙りません。以上述べて項を終わります。
